MT4を使い続けていると、「チャートに情報は表示されているのに、どこで何を判断すればいいか分からなくなる」という場面が出てきます。bevFXシリーズ「フル版セット」は、そうした課題を統一されたUIと多彩な機能で解決しようとするMT4インジケーターの総合セットです。環境系・ライン系・MA系・サブウィンドウ系の全19本に加えてツールセットが含まれており、プライスアクション・トレードのための環境をMT4上でまるごと構築することを目的に設計されています。この記事では、このセットの概要・特徴・向いている人・注意点をまとめます。
「フル版セット」はインジケーターを個別に揃えるのではなく、目的の異なるツール群をひとつのパッケージとして提供している点が特徴です。音声アラート・統一UI・トレード学習機能という3つの独自方向性を理解したうえで検討すると、自分のトレードスタイルに合うかどうかを判断しやすくなります。
bevFXシリーズ「フル版セット」とは?基本情報と概要
bevFXシリーズ「フル版セット」は、GoGoJungleで販売されているMT4対応のインジケーターセットです。開発者は「bevFX」で、本人確認資料の提出とNDA(機密保持契約)の締結が確認されており、GoGoJungleの販売基準をクリアした開発者によるツールです。
このセットに含まれるインジケーターは以下のカテゴリで構成されています。環境系3本(001〜003)は価格軸・時間軸の基本ツール群で、トレーダーのコックピットとなるベースを担います。ライン系7本は水平ライン・トレンドライン・チャネルライン・ボックスなどをより効率的に扱うためのツール群です。MA系8本は相場の局面(フェイズ)を移動平均線(MA)の視点から視覚化するインジケーター群で、上位足の状況を伝えることを主な目的としています。サブウィンドウ系1本は相場を俯瞰するためのツールです。これら全19本に加えてツールセットが同梱されています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 商品名 | bevFXシリーズ「フル版セット」 |
| カテゴリ | MT4インジケーターセット(全19本+ツールセット) |
| 対応プラットフォーム | MT4 |
| 対応銘柄・市場 | 複数通貨ペア対応 |
| 構成カテゴリ | 環境系(3本)・ライン系(7本)・MA系(8本)・サブウィンドウ系(1本) |
| 対応スタイル | スキャルピング〜スイング(プライスアクション全般) |
| 売買シグナル | なし(手動判断のサポートツール群) |
| 開発者 | bevFX |
bevFXシリーズ「フル版セット」の3つの特徴
特徴① 統一UIによる「新しい姿のMT4」
bevFXシリーズの大きな特徴のひとつは、各インジケーターに統一性のあるユーザーインターフェイス(UI)を採用していることです。チャート上に配置されたボタンやキーボードショートカットで、表示要素の切り替えやアラートのオン・オフが操作できます。複数のインジケーターを追加しても、操作方法がシリーズ内で統一されているため、慣れてしまえばスムーズに扱えます。
外観面では、チャートに追加した時点で白背景・黒背景を自動判定し、配色を切り替える機能があります。白背景のチャートに黒背景用の配色で表示されてしまうといった使いにくさが軽減されています。また、ウィンドウの横サイズに応じて操作ボタンの表示・非表示が自動切替されるため、コンパクトな表示でチャートを並べて使う場面でも邪魔になりにくい設計です。
チャートの右側余白に情報表示と操作ボタンを集約し、左側にはMA系8本のボタンを縦に並べる配置ルールがシリーズ全体で共有されています。複数のインジケーターを組み合わせながらも、全体の見た目が整理された状態を保ちやすい点は、多機能なインジケーター群をまとめて使うセットとして合理的な設計です。
特徴② 音声アラートによる「しゃべるMT4」
bevFXシリーズが特に力を入れている機能が音声アラートです。独自の音声ファイルを追加することで、価格がサポートラインを下から上にクロスした場合や、指定した条件を満たした場合に、具体的な内容を音声でアナウンスします。「ライン・サポート・下にクロス・ドル円」といった形で何が起きているかを読み上げることで、チャートを見ていなくても動きに気づける仕組みです。
この機能は、複数の通貨ペアを並列で監視したいトレーダーにとって実用的な強みとなります。6つのチャートを並べてすべてを同時に注視し続けることは現実的ではありませんが、音声アラートがあれば表示されていないチャートの変化も把握できます。チャートを常に凝視することで生じる眼や肩の疲れを減らし、判断力の低下を防ぐ効果も期待できます。
音声アラートはライン系・MA系など複数のインジケーターに実装されており、どの場面でアラートを鳴らすかを条件に合わせて設定できます。相場の実況中継的な使い方に向く設計です。ただし音声アラートの一部はフル版のみの機能で、トライアル版では省略されている部分があります。
特徴③ ストラテジーテスターでの学習・訓練機能
bevFXシリーズには、MT4のストラテジーテスター機能を活用した学習ツールとしての側面があります。基本的にどのインジケーターもヒストリカルデータの整合性が取れている限り過去チャートをさかのぼることができるため、バックテスト(過去チャート検証)がしやすい設計になっています。
「002_日本時間とキリ番」では表示している過去チャートの日付を分かりやすく表示したり、ニューヨーク時間(EST)に切り替えたりできるため、海外トレーダーの手法を検証する場面でも使いやすい機能が揃っています。
さらに「001_ものさし」には簡易トレードシムが組み込まれており、ストラテジーテスターで過去チャートを再現しながら売り・買いのボタン操作で疑似トレード練習ができます。獲得Pipsや勝率を操作パネルで確認でき、トレード履歴のラインがチャートに描画されるため、振り返りにも活用できます。この機能はトライアル版でもフル機能で使えます。bevFXシリーズ全19本のインジケーターをトレーニングパートナーとして使えるため、体系的なスキルアップの場として設計されています。
bevFXシリーズ「フル版セット」のメリットとデメリット
メリット
最大のメリットは、プライスアクション・トレードに必要なツールを一式まとめて揃えられる点です。環境認識・ライン管理・MA分析・俯瞰監視と、相場を多角的に分析するための道具がひとつのパッケージに含まれています。個別に揃えるよりも体系的に学びやすく、シリーズ内での統一UIが使い勝手を一貫させます。
音声アラートは複数チャートを並行して監視する場面で実用的な強みを発揮します。特定のラインブレイクや状況変化を音声で知らせるため、常時チャートを眺め続ける必要が薄れます。長時間のトレード監視での集中力の維持に役立ちます。
学習・訓練の場としての機能も独自の強みです。ストラテジーテスターを使ったバックテストとトレードシムの組み合わせにより、実際の資金を使わずに過去チャートで繰り返しトレード練習ができます。手法の検証から感覚を積み上げるトレーニングまで、自己学習のツールとして活用幅があります。
目的別のサブセット(環境系セット・MA系セット・ライン系セット)も別途販売されているため、最初はサブセットから試してフル版に移行する選択もできます。
デメリット・注意点
売買シグナルを自動で出力するタイプのツールではありません。このセットはあくまでトレーダーの判断を支援するためのツール群であり、自動的にどこでエントリーするかを示す機能はありません。プライスアクション・トレードの基礎を自分で学ぶ意欲と、チャート分析の基礎知識がある方向けの設計です。
19本ものインジケーターを一度に揃えるため、最初から全部を把握しようとするとボリュームが大きく感じられます。各インジケーターに同梱のマニュアルがあり、それを参照しながら使い方を覚える手順が前提となっています。すぐに手軽に使い始めたい方には学習コストがかかる可能性があります。
MT4専用の設計のため、MT5環境では使えません。MT5に移行している・移行を予定しているトレーダーには対応していない点を確認する必要があります。
操作ボタンはウィンドウの横サイズに応じて表示・非表示が切り替わります。小さいウィンドウではボタンが非表示になりますが、アラート設定は有効のまま維持されます。この挙動は慣れが必要な場面もあります。
こんな人におすすめ・向かない人
bevFXシリーズ「フル版セット」が向いている方
① プライスアクション・トレードを体系的に学びたい中級者以上の方
環境系・ライン系・MA系という構成は、プライスアクション・トレードに必要な分析の視点を網羅しています。チャートを読む力を体系的に鍛えながら、使えるツールを段階的に増やしていきたい方に向いています。特定の手法に縛られず汎用的に活用できる点も、幅広い相場環境に対応しようとしているトレーダーに適しています。
② 複数通貨ペアを同時に監視したい方
音声アラート機能は複数チャートの並行監視に向いた設計です。6枚以上のチャートを並べて相場全体を見渡したい、または特定の条件が揃った瞬間に通知を受け取りたいという使い方に対応しています。チャートを凝視し続ける負担を減らしながら、チャンスに気づきやすい環境を作れます。
③ ストラテジーテスターを使ってトレード練習を積みたい方
トレードシムを活用した学習機能は、資金を使わずに過去チャートで繰り返し練習できる独自の強みです。スキルアップのための自己学習を重視していて、体系的なツール群を揃えたうえで実践練習をしたい方に向いています。
向かない方
① 自動売買やシグナル自動検出を求めている方
bevFXシリーズは売買判断をトレーダー自身が行う前提で設計されています。EAによる自動注文やシグナル表示で機械的に売買したい方の目的には合いません。
② MT5環境で使いたい方
このセットはMT4専用です。MT5には対応していないため、MT5をメインに使用しているトレーダーは対象外となります。
「フル版セット」の使い方と注意点
各インジケーターを番号順にチャートに追加することが推奨されています。追加する順番によって表示要素が重なったときの見え方が変わるため、特にMA系インジケーターでは順序が重要です。チャートは白背景・黒背景を自動判定して配色が切り替わりますが、後から背景色を変更した場合は時間足を切り替えることで描き直しがかかります。
複数の通貨ペアを監視するチャートを作る場合は、目的に合わせてインジケーターを組み合わせた定型チャートをMT4の「定型チャート」として保存しておくと管理しやすくなります。通貨ペア名の表示・長期キャンドル・平均足切り替えなど、コンパクトな監視画面に必要な要素を絞って保存しておくことで、毎回設定し直す手間が省けます。
ストラテジーテスターでの学習を始める場合は、まず「●ストラテジーテスターの設定方法.pdf」を参照することが推奨されています。長期間や短期足でのテストはデータ量が増えるため、最初は15分足で2か月程度から始めるのが安全です。他のインジケーターを追加しながら複数の観点でバックテストを行うことで、手法の検証だけでなくトレードの判断力そのものを鍛えることができます。
音声アラートの設定はインジケーターごとに異なります。アラートを有効にしておきたい条件を各インジケーターのパラメーターで設定し、監視しない時間帯はアラートをオフにするなど、状況に合わせた運用が必要です。ウィンドウサイズを小さくしてもアラート設定は維持されるため、縮小表示のチャートでも音声通知は機能します。
よくある質問(Q&A)
Q. MT5に対応していますか?
A. 対応していません。bevFXシリーズ「フル版セット」はMT4専用です。MT5環境でのご利用はできませんので、ご注意ください。
Q. トライアル版との違いは何ですか?
A. トライアル版は30分足と4時間足でのみ動作する機能限定版です。フル版は時間足の制限なく全機能を使えます。なお、ストラテジーテスターでの実行はトライアル版でも時間足の制限なく動作し、トレードシムもフル機能で使えます。
Q. 環境系セット・ライン系セット・MA系セットとの違いは何ですか?
A. 各サブセットはフル版セットの一部で、カテゴリ別に分けたものです。フル版セットは全19本とツールセットをまとめて揃えられるセットです。特定のカテゴリだけ試したい場合はサブセットの選択もできます。
Q. 売買シグナルは自動で表示されますか?
A. 自動の売買シグナルは出力されません。bevFXシリーズはトレーダーが自分で判断を行うことを前提にした設計です。相場の状況把握や判断材料の整理をサポートするツール群であり、自動で「買い」「売り」のサインを出す機能はありません。
Q. 個別のインジケーターを購入するよりも割安ですか?
A. セットとして19本がまとめて含まれているため、個別に購入するよりもコストの面で有利に設定されています。詳しい価格はGoGoJungleの商品ページでご確認ください。
まとめ
bevFXシリーズ「フル版セット」は、プライスアクション・トレードのためのMT4環境を総合的に構築したいトレーダー向けのインジケーターセットです。環境系・ライン系・MA系・サブウィンドウ系の全19本に加えてツールセットが揃い、統一UIと音声アラートとトレード学習機能という3つの独自性を持っています。売買の自動判断はしない設計のため、プライスアクション・トレードの基礎を理解したうえで活用することが前提となります。
複数チャートを並行して監視したい方、ストラテジーテスターを使ったバックテストや練習環境を整えたい方、そして体系的なツール群でMT4の使い勝手を刷新したい方にとって、検討する価値のあるセットです。まずトライアル版で動作を確認してから判断する選択肢もあります。